ペットボトルには入れにくい角度で水を補給するため、満タンには出来なかったが
入れるだけ入れてここを離れることにした。
荷物を持ち、携帯を確認し、・・・ここで携帯が無くなっている事に気づく。
ライフジャケットのチャックポケットにしまっているはずが、ポケットが半開きになっていてスマホが無くなっていた。
またもやパニック、さっきツルに足を取られこけた辺りを探すが、見つかるはずもなく。
現実逃避して、違うポケットに入れたんだと、全部のポケットとバッグの中を見たのだがやはり無い。
もしかしたら悪夢を見てるだけで夢から覚めるのでは無いかと思ったのだが、これは現実に間違いなかった。
ここでさすがに頭が疲れてきて、他の所も探し歩いたがあるはずも無く、またどうするかを考えた結果が
もう、道を間違えてでも強行突破してやると決意した。
(この頃、恐らく18時半頃)
ライトはある、水もガブ飲みした、汲んだ水も少しある、火も持っている。スマホは諦める。
磯靴はある・・・磯靴に替えてなかったのに気づき、ここで履き替える。
そして、またツルの入り口と格闘する事になったのだが、水分を取って体力、気力が増していて
磯靴も履いてるので、もう無理やり踏んづけて押し倒して、トゲが手に刺さっても
力でねじ伏せる事にして何とか分け入っていく事が出来た。山の中は、磯場よりクッションが効くせいか
足が痛いことには間違いないが、痛みをごまかすため絶叫しながら進んでいった。
竿も持ち、リュックを背負い、磯靴バッグを持っていたため、歩くたびに引っ掛かり邪魔になっていたが
途中から竿と、磯靴バッグを進む進路に投げ捨て両手をフリーにする事で格段に進みやすくなる事を学習した。
だが、やはりツルが生い茂る場所に差し掛かると、かなりの負担が掛かる事は間違いなかった。
痛みを紛らわすためにも「ヨッシャー!」「やってやんぞ!」などと絶叫しながら登り進んでいった。
そして、ある程度こなれてきた頃に最初の難所を迎える。